内閣官房機密費の怪

今年1月に行われた名護市長選で、辺野古移設容認派の陣営に官房機密費が使われたという噂を聞き、3月23日の予算委員会で真偽を質問した。平野官房長官の代わりに答弁に立った岡田外務大臣は事実を否定し、鳩山総理大臣は、官房機密費の公開を約束した。このように、機密費投入の噂は後を絶たない。
名護市長選直後に、平野官房長官の肝いりで内閣官房沖縄連絡室が設置された。消息筋によると、その理由は、名護市長選の情勢分析に当たった、外務省沖縄事務所と沖縄防衛局が、官邸に「島袋候補優勢」という報告をあげ、その予測が見事にはずれたからだという。同筋によると、平野官房長官は、市長選直後、島袋氏を官邸に呼び出し叱責し、外務省、防衛省の情勢分析があてにならないから、官邸直属の機関を沖縄に置くことを即決した、という。実際、官邸のスタッフに名護市長選の情勢を尋ねられた記者は、「『うち』は優勢なのかのという質問の『うち』とは、島袋候補を指していた」と語っている。「名護市長選の結果は斟酌(しんしゃく)しない」という発言は、こうした背景があって出たものかと勘繰りたくなる。
民主党は、小沢幹事長の指揮の下、陳情要請の県連一元化を実施しているが、沖縄だけは県連を通さず内閣官房沖縄連絡室を通した陳情がまかりとおっている。それも県連からの問い合わせに対して、1件しか陳情を受け付けていないと回答した沖縄連絡室だが、調査してみると140件以上の陳情を受け付けていたことが判明した。この件を我が県連が小沢幹事長に報告すると、幹事長も「それは県連が怒るのも無理はない」と理解を示した。平野官房長官は、沖縄連絡室を動かし、11月の知事選も県内移設容認派が勝利するよう画策していると言われている。沖縄の民意を無視したこうした動きには、必ず強烈なしっぺ返しがくるだろう。